自毛植毛の費用(料金/値段)をクリニックごとに比較検討した結果
これまで調べてきて、薄毛治療には植毛が効果的なことはわかった。
しかし、気になるのはその費用(金額・値段)だ。
自由診療(自費)になるわけだが、料金設定や値段という費用に関してはクリニックによって異なる。
今回は気になっているクリニックをピックアップして比較していきたい。
【目次】
- 自毛植毛の費用(料金・値段)の相場
- 人工毛植毛の費用相場も知っておこう
- 自毛植毛の費用が高くなる理由
- 自毛植毛の手術方法
- 自毛植毛を行っているクリニックごとの費用(料金・値段)を比較
- 自毛植毛の費用がクリニックによって違う理由
- メディカルローンについて
- 自毛植毛クリニック選びの参考に
自毛植毛の費用(料金・値段)の相場
自毛植毛の費用は株数(グラフト)で変わるところが多い。
株数とは毛包と呼ばれる組織を数える単位で、1株に2~3本の毛が生えるらしい。
どれだけの株数を移植するのかによっても変動するが、だいたいの費用相場は80~100万円前後だ。
また、クリニックによって1グラフトあたりの値段は異なる。
1グラフトあたり600円のクリニックもあれば、1200円のところもある。
さらに、自毛植毛は毛包にある細胞を生かしたままスピーディーに移植手術を行う必要があるため、手術に多くの人員を割くクリニックは料金が高くなる傾向にある。
それだけ人件費がかかっているわけだから、当然といえば当然だ。
人工毛植毛の費用相場も知っておこう
植毛には自毛植毛の他に人工毛植毛があるのだが、人工毛植毛の費用にも触れておこうと思う。
一般的に人工毛植毛は自毛植毛と比べて費用が安く済むと言われている。
その費用相場は移植する株数にもよるが、例えば2,000株~3,000株とするとだいたい50~80万円前後だ。
一見人工毛植毛の方が安くて良さそうに思われるかもしれないが、人工毛植毛は移植株を植えた時点でイメージ通りのヘアスタイルが手に入る反面、維持するためのメンテナンスを定期的に行う必要がある。
そのため、最初こそ安く済んだとしても随時プラスでメンテナンス代は必要になってくるのだ。
自毛植毛の費用が高くなる理由
自毛植毛が他の薄毛治療法と比べて費用が高くなってしまう理由について考えてみた。
医療行為(外科手術)であること
外科手術である自毛植毛は、増毛などと異なり必ず免許を持った医師の手が必要となる。
また専門的な知識と技術がいるため、誰にでもできる治療法ではない。
一本一本の植毛に手間がかかること
植毛は後頭部から一つずつ毛包を採取し移植するため手間がかかる。
しかも、手作業で行うので(ロボットを導入しているクリニックもある)長くなると7時間かかることも。
さらに、デザインや植毛場所によっては毛髪の生える方向や角度の調整をしなくてはならない。
保険適用外であること
薄毛が健康被害を及ぼす疾患ではないため、植毛手術は厚生労働省が定めた医療保険の適用外となり、美容整形や歯の矯正と同じように自己負担となる。
一度に必要となる費用は他の治療法や対策に比べて高額だが、植毛した毛髪が生着してしまえば後は自然に生え変わり続けてくれるため、基本的に一度の手術で完了し、メンテナンスや継続治療が必要ない。
そのため、長期的に考えると自毛植毛の方がコストを抑えられるケースもあるのだ。
自毛植毛の手術方法
手術方法でも金額が変わる。
自毛植毛には「FUT法」と「FUE法」がある。
この違いは後頭部もしくは側頭部の頭皮を切り取るかどうかだ。
【FUT法】
FUT(Follicular Unit Transplantation)法は、世界各地で行われている一般的な自毛植毛の方法であり、後頭部の頭皮を切り取って移植する株(グラフト)を作っていく。
そして、前頭部などの移植部位に切り込みを入れて採取した後頭部から採取した株を植え込んでいくのだ。
メリットとしては、後述するFUE法より採取できる株数が多いことや広範囲の植毛が可能であることや費用が安く済むことが挙げられる。
ただし、メスで頭皮を切り取り、縫合するため手術痕が残る点や、術後にダウンタイムが必要となり、すぐに洗髪することは難しい点はデメリットとなってしまう。
【FUE法】
一方でFUE(Follicular Unit Extraction)法は医療用のパンチ(先端が鋭くとがった中空の金属)を使って毛包をくり抜いて移植する方法だ。
メスを使わず、頭皮も切り取らないため「切らない植毛」として注目されている。
メリットとしては頭皮を切らずに済む点が大きいが、術後の痛みが少なく、すぐに洗髪も可能な点も挙げられる。
デメリットとして挙げる点はFUTの方が費用が高額になることや、傷痕が点状になってなって頭皮に残ること、採取できる株(グラフト)がFUT法より少ないといったことだろう。
自毛植毛を行っているクリニックごとの費用(料金・値段)を比較
自毛植毛の手術方法についてわかったところで、本題のクリニック別の費用(料金・値段)を調べて比較してみようと思う。
親和クリニック
東京(新宿)、名古屋、大阪、福岡にあるクリニックで、自毛植毛だけでなく発毛・育毛AGA治療を行っている。
自毛植毛はFUE法を独自に発展させたMIRAI法という手術を行う。
後頭部を刈り上げて採取するMIRAI法、刈り上げずに採取するNC-MIRAI法、2つを融合したUnited MIRAI法の3方法がある。
MIRAI法は毛包(毛穴)単位で採取して移植するため、従来のFUE法より高密度・大量移植ができ、日帰りでも手術が可能であることが特徴だ。
全国の人に自毛植毛を受けてもらいたいという願いから、遠方から来院する人のために「交通費・宿泊費補助制度」を設けている。
【手術費用(MIRAI法)】
基本治療費:220,000円
初診料・再診料:無料
1株あたりの値段:990円/1株(毛髪2本程度)
400株(1000本前後)移植する場合の費用:400株×990円+基本治療費220,000円=616,000円
NC-MIRAI法やUnited MIRAI法については親和クリニックの公式サイトで確認してほしい。
銀座HSクリニック
銀座HSクリニックは東京都の銀座にある薄毛治療専門クリニックである。
頭皮の健康・再生、頭皮への刺激、ヘアサイクル、身体の健康をまんべんなく考えた独自の治療を行っている。
また、銀座HSクリニックは内側からの治療(内服薬や体質改善)と外側からの治療(HS式ノーニードルメソセラピーなど)を組み合わせた治療を行うことができると評判。
自毛植毛は後頭部を刈り上げて採取するHair Strong0、特定範囲の髪をカットして採取するHair Strong3、刈り上げずに採取するHair Strong10の3方法がある。
【手術費用】
基本治療費:220,000円(一律)
初診料:3,000円
再診料:2,000円
※無料カウンセリングあり
1株あたりの値段:1,067円~4,290円(植毛法により異なる)
Hair Strong0で500グラフト移植する場合の費用:500グラフト×1,067円+基本治療費220,000円=753,500円
銀座HSクリニックは、植毛法によって1グラフト当たりの金額が変わってくる。
医師が手掛ける植毛は毛根の角度から髪の生え癖や方向を考えて1本1本精確に移植を行うため、自然な仕上がりになると定評がある。
その他の詳細情報については銀座HSクリニックの公式サイトで確認してほしい。
湘南美容クリニック
その中にはAGA(男性型脱毛症)治療専門院もあり、新宿に2院、仙台、名古屋、大阪、福岡に1院ずつある。
FUE法を採用しているが、湘南美容クリニックでは「ARTAS(アルタス)」と呼ばれるロボットを使って自毛植毛を行っている。
このARTASはCCDカメラを複数搭載しており、その画像から毛髪の向きや角度などをチェックしながら医師がコントロールしてドナー採取を行うことが特徴だ。
【手術費用】※シークレット植毛費用同様のためそちらを参考
基本治療費:なし
初診料・再診料:無料
1株あたりの値段:832円/1グラフト(毛髪2本程度)※500グラフトの場合
500グラフト移植する場合の費用:500グラフト×980円+基本治療費0円=416,000円
湘南美容クリニックは、移植するグラフト数により1グラフト当たりの金額が変わってくる。
その他、ノンシェーブン植毛という自毛植毛もある。
詳細は公式サイトで要確認してほしい。
アイランドタワークリニック
アイランドタワークリニックは全国に4院(東京・大阪・名古屋・福岡)に展開しているクリニックである。
FUE法であるが、こちらでは「i-Direct法」という名称だ。
【手術費用(i-Direct法)】
基本治療費:220,000円
初診料・再診料:無料
1株あたりの値段:1,320円/1グラフト(毛髪2本程度)
500グラフト移植する場合の費用:500グラフト×1,320円+基本治療費220,000円=880,000円
後頭部を刈らずに行う「刈らないDirect」というプランもあるが、1グラフトあたりの金額が800円高い。
また、アイランドタワークリニックは交通費や宿泊費をサポートするプランもある。
TOMクリニック
TOMクリニックは池袋と新橋にクリニックを展開している。
湘南美容クリニック、ルーチェクリニック 銀座院と同様にARTASを導入してロボット植毛を行っている。
他のクリニックに通っていてもカウンセリングを受けることができる。
【手術費用(FUE法)】
基本治療費:350,000円
初診料:3,000円
再診料:不明
1株あたりの値段:80円/1グラフト(毛髪2本程度)※500グラフトの場合
500グラフト移植する場合の費用:500グラフト×80円+基本治療費350,000円=390,000円
基本治療費は高いが1グラフトあたりの費用は安い。
先天性や後天性により痛んだ細胞・組織の機能を修復する再生医療「PRP治療」もあるが、こちらは1本100,000円と非常に高い。
エステセンター・ジャパン
エステセンター・ジャパンは“植毛大国”と呼ばれるトルコで予算55万の「植え放題システム」を確立しているクリニック。
なんと植毛にかかる費用は欧米の1/5程度ということでメディアでも取り上げられているようだ。
【手術費用】
植え放題:550,000円
この費用内には植毛施術費以外に一部の食費とホテル宿泊代(最大4泊)分も含まれているらしい。
ただし、トルコまでの渡航費用は55万円の中に含まれていないので、別途用意する必要がある。
自毛植毛の費用がクリニックによって違う理由
上記の費用比較を見て分かるように自毛植毛の費用はクリニックによって変わってくる。
まず一つ目の理由が「自由診察」であることだ。
保険診療であれば保険点数などとの兼ね合いからほぼ一律価格になるが、自毛植毛は保険が適用されず料金設定に何の制約もない。
そのため、どの料金で提供するかはクリニック側で自由に決められるのだ。
二つ目の理由がグラフトの「最小単位」に違いがあることだ。
10グラフトから施術可能なクリックもあれば、1グラフトから可能なクリニックもある。
グラフトの最小単位が小さい方が安く感じるだろう。
しかし、施術範囲が同じであれば最終的な費用はほぼ同じになるので、適正価格を判断するには「1グラフトあたりの値段」を考えるといいようだ。
自毛植毛の費用が高いと感じたら・・・
費用が高いから自毛植毛を諦めるしかない・・・と考えるのはまだ早い。
メディカルローンの利用やキャンペーンを活用すればだいぶ気軽に受けやすくなる。
例えば、割引だとしたらモニター割といって自分の症例部位の写真や施術を受けた体験談をクリニック側が自由に使っていい(ホームページや広告などに)と承諾することで植毛の費用が割引されるものがある。
その他にも時期によって様々なキャンペーンがあるので確認してみると良さそうだ。
メディカルローンについて
「自毛植毛を受けたいけど高くて無理」という人にはメディカルローンもおすすめ。
メディカルローンとは、別名「医療ローン」とも呼ばれており医療行為を受けるためのローンのことを言う。
基本的にはクリニックと提携している信販会社や銀行が借り入れ先となる。
利率はクリニックによって異なるがクリニックが利息を負担してくれる場合もあり一般的にカードローンやフリーローンよりも低い。
メディカルローンを利用する最大のメリットは高額な医療費を分割払いできることだ。
金銭的に諦めていた治療も分割で支払うことで月々の支払の負担が減り治療を受けることができる。
人によっては施術後に通院する可能性もあるので生活費との兼ね合いを考えるとメディカルローンは助けになるだろう。
利用には審査が必要なので考えている人は事前に伝えておくと安心だ。
自毛植毛クリニック選びの参考に
いくつかのクリニックを比較してみたが、やはり一長一短あるように感じた。
また、公式サイトを見ただけではわからないことも多い。
やはり詳しいことは実際クリニックに行って聞くのが一番わかりやすいだろう。
クリニックによってはカウンセリング費用が無料のところもある。
契約前に自分の予算感をしっかり伝えておくと安心だと思った。
ということでカウンセリングでは費用感や疑問点やをぶつけてこようと思う。